【経理初心者向け】資金繰り表を作るとき最初に確認すべきこと

資金繰り表を作る場合。真っ先に気をつけるべき点があります。

それは、「資金繰り表」という言葉が、様々な意味で使われるというところです。

ですから、何も考えずに資金繰り表を作ってしまうと、お互いにイメージしている「資金繰り表」が異なるために、

社長:「資金繰り表作って」
あなた:「はい。作りました!」
社長:「欲しいのは、こんな表じゃねーよ。おまえは資金繰り表も知らんのか、使えないヤツめ(怒)!!!」
あなた:「(社長こそ、資金繰り表がどんな表か知らないくせに・・・)」

というような会話になりがちです(汗)。

また「資金繰り表」は、種類により、作成方法も全く違いますし、難易度も全然違います。

ですから、「資金繰り表」が話題に出てきた場合、最初に「相手がいっている資金繰り表とはどういうものをイメージしているのか?」を真っ先に確認しないといけません。

資金繰り表は4種類

資金繰り表は大きく分けて4つに分けられます。

  1. 過去の資金繰り実績表
  2. 将来1ヶ月程度の資金繰り予定表
  3. 将来数ヶ月~半年程度の資金繰り予定表
  4. 将来半年~1年程度の資金繰り予定表

「集計期間」が違うと「元データ」が変わる

上の4つを比較すると、結局のところ、「集計期間」が違うだけです。

でも、この「集計期間」の違いが、表の作成方法に大きく影響してきます。

というのは、集計期間が違うと、作成する根拠となる「元データ」が変わってきてしまうからです。

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過去か将来か

過去の資金繰り表は、入出金の「実績」を集計すれば作れます。

入出金実績は「現金・預金の元帳」でわかりますので、基本的には元帳をベースに作成をしていくことになります。

ところが、将来の資金繰り表を作成したい場合、通常は「現金・預金の元帳」を使うことはできませんので、別のデータソースを探さないといけません。

将来の確実性の度合い

将来の資金繰り表を作りたい場合には、どれくらいの期間の資金繰り表を作成するかを考える必要があります。

近い将来の場合

普通の会社は、売上・仕入など主要かつ変動が激しい項目は「後入金、後払い」であることが多いと思います。

そのため、多くの場合1ヶ月内程度の資金繰りであれば、ほぼ100%確定しているはずです。

ですから、「将来1ヶ月程度の資金繰り表」は、各種資料を集めるだけで、かなり正確な資金繰り表ができます。

遠い将来の場合

逆に「将来半年~1年程度の資金繰り予定表」くらい先になると、確実な情報は入手できないはずです。

ですから、言葉は悪いですが「テキトー」に計算をして「もっともらしい金額」をはじくことになります。

例えば、一番の手抜きレベルだと「売上高の将来予測」から「資金繰り表」を作る、というようなイメージです。

気をつけないといけないのは、そもそもの元データ(例えば、売上高の将来予測)に信憑性がなければ、どんなに精緻な計算式を組んでもムダだということです。

ですから、極端な話「向こう半年~1年の売上高」が読めないのであれば、売上入金が予測できませんから、同期間の資金繰り表なんて作るだけムダということです。

仮に、参考資料として作るにしても、売上すらも見込みが立てられないのであれば、大きく手間暇をかけるべきではないでしょう。

逆に、売上高やその他の指標を精度良く予測できるのであれば、手間暇をかけて、計算式をうまく組めば精緻な資金繰り表が作成できると思います。

中途半端な将来の場合

一番悩ましいのがこのパターンです。
例えば、売上入金が「月末締め翌月末入金」と「月末締め翌々月末入金」が混在しているような会社で、2ヶ月後の資金繰り表を作りたい、というような場合。

「月末締め翌々月末入金」の売上先からの入金は、現時点で確定しています。
一方で「月末締め翌月末入金」の売上先からの入金は、現時点で未確定です。

このように、同じ売上入金でも「確定分」と「未確定分」が混在してしまいます。

そのため、どのように集計をしていくかが悩ましいところです。

様々な選択肢がありますが、わかりやすいのは次の2つでしょう。

  • 未確定分についても細かく予測して「近い将来の資金繰り表」と同様の計算をする
  • 確定分を無視して「遠い将来の資金繰り表」と同様の計算をする

あなたの状況に合わせて、より良い方法を選択してください。

まとめ

資金繰り表を作る、という場合。

どの期間の資金繰り表を作るのかを考えてください。
それに応じて、集めるべき情報や、作成方法が大きく変わってきてしまいます。

特に、社長、上司や、銀行などの第三者から「資金繰り表を作成して!」と言われた場合には、その発言者に「資金繰り表のイメージ」を必ず確認してください。

人により「資金繰り表」という言葉でイメージする内容が違いますので、早合点するとムダな手戻りが発生する可能性が高いです。

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