生命保険料控除額の計算(平成28年版)-エクセルで年末調整その3
今回は、年末調整で必要となる生命保険料控除の計算をしていこうと思います。
生命保険料控除は、少し前の税制改正で計算方法がかなり複雑になってしまいましたが、保険料控除申告書に従って計算をしていけば、比較的簡単に計算ができます。
この記事の目次
生命保険料控除の計算方法
保険料控除申告書に、計算方法が書かれていますので、これに従って計算をします。
結局必要な情報は、次の5つです。
- 一般の生命保険料(新保険料)
- 一般の生命保険料(旧保険料)
- 介護医療保険料
- 個人年金保険料(新保険料)
- 個人年金保険料(旧保険料)
この5つの情報に基づいて、指示された計算をすることになります。
今回の記事でも、この5つの金額が集計できたとして、その先の計算をどうするのかを説明していこうと思います。
一般の生命保険料控除の計算
まず、一般の生命保険料控除の計算をしていきます。
一般の生命保険料(新保険料)の保険料控除額
最初に①欄の計算してみようと思います。
計算方法の説明書きを見ると「Aの金額を下の計算式Ⅰ(新保険料等用)にあてはめて計算する」と書かれています。
このタイプの計算式は、前回・前々回と同様にvlookup関数を使っても書けます。
でも、下記のように単純にif関数で書いても、計算式が見やすいです。
=if(E2<=20000,E2, if(E2<=40000,E2*1/2+10000, if(E2<=80000,E2*1/4+20000, 40000)))
ですから、if関数を使って書くのでも問題はないでしょう。
一般の生命保険料(旧保険料)の保険料控除額
次に②欄を計算します。
説明書きを見ると次の「Bの金額を下の計算式Ⅱ(旧保険料等用)にあてはめて計算する」と書かれています。
数字が違うだけで、表の形は全く一緒です。
ですから、計算式も、次のように先ほどの数値を変えればOKです。
=if(E3<=25000,E3, if(E3<=50000,E3*1/2+12500, if(E3<=100000,E3*1/4+25000, 50000)))
ここまでの入力状況をまとめると、次のようになります。
一般の生命保険料の保険料控除額
ここまでくれば、あとは簡単ですね。
- ③欄:計(①+②)
-
①+②を計算します。
ただし、40,000円を超える場合は40,000円にしないといけません。
これは、結局「①+②」と「40,000円」のどちらか小さい金額を選ぶということです。
ですから、次のようにmin関数を使って、次のように計算をします。
=min(H2+H3,40000) - イ欄:②と③のいずれか大きい金額
-
「いずれか大きい」金額を表示させたい場合には、max関数を使うと計算することができます。
=max(H3,K2)
これで、一般の生命保険料の保険料控除額の計算は完了です。
介護保険料の控除額の計算
計算方法は、一般の生命保険料(新保険料)の保険料控除額(①欄)の計算と全く同じです。
計算式を入れると、次のようになります。
個人年金保険料の控除額の計算
計算式は、一般の生命保険料の計算と全く同じですので、コピー・ペーストするだけで入力完了です。
生命保険料控除額計
イ+ロ+ハを計算して入力するのですが、120,000円を超えたら120,000円を表示させます。
これは、先ほど出てきたパターンで、結局「イ+ロ+ハ」と「120,000円」のどちらか小さい金額を選ぶ、ということです。
ですからmin関数を使って、次のように計算をします。
これで、生命保険料控除額の計算は完了です。