TKC FX2と弥生会計との仕訳データの違い
私の会計事務所では、
弥生会計を使っているのですが、
お客様が、
TKC FX2を使っていた、というケースで、
仕訳データを弥生会計に移行したことがあります。
TKCのデータ構造は、とても個性的
会計ソフトなんて、
どのソフトでも、ほとんど一緒だよ、、、
と思っていたのですが、
TKCのデータはかなり個性的でした。
消費税コードが、「仕訳単位」で付く
弥生会計では、
仕入(課税仕入)/現金(対象外)
というように、
仕訳の貸借(=左右)それぞれに、
消費税コードを付けます。
ところが、
TKCのFX2では、
消費税コードは「行単位」でつけるのです。
具体的に書くと、
仕入/現金 (課税仕入)
というように、
「行」に対して、消費税コードが付されているのです。
TKCのFX2では、
仕訳は、常に1:1の形で入れられます。
そして、
その「1:1仕訳」全体に対して、消費税コードをつけるのです。
こういうデータ構造なので、
たぶん
「仕入/売上」
というような、
貸借で消費税コードが違うような仕訳は、
入力できないのだろうと思います。
(2行に分けて入れればいいだけなので、大きな支障はありませんが)
2.取引先コードも「仕訳単位」で付く
どの会社と取引をしたのかを区分するために、
「相手先」のコードを入れたい、
というケースがあると思います。
この「相手先」コードも、
消費税コードと同様に、
- 弥生会計
-
仕訳の「貸借それぞれ」単位
- TKC
-
「行」単位
に付されます。
3.部門別仕訳は、通常の仕訳データとは「別」管理
例えば、
現金で広告宣伝費を100払った場合に、
- A部門分が50
- B部門分が40
- C部門分が10
と配分したい、という場合。
弥生会計では、
広告宣伝費(B部門)40
広告宣伝費(C部門)10
という仕訳を起こします。
ところが、TKCのFX2の場合は、
仕訳データとしては、
という仕訳しか起こせません。
仕訳のレベルでは、部門別管理ができないのです。
部門別のデータは、
(少なくとも、内部的なデータベースの構造的には)
仕訳で管理せずに、
別途、
広告宣伝費(A部門)50
広告宣伝費(B部門)40
広告宣伝費(C部門)10
というような「部門別損益データ」を別途作成し、
管理をしているのです。
想像ですが、
経費を部門別に管理する場合にも、
仕訳で部門を分けてしまうと、
「1:1仕訳」を、
自然に入れることができないため、
- 仕訳自体は1:1仕訳にする
- 部門ごとの収支は別管理
というデータ構造にしたのだろうと思います。
TKCのデータをエクセルで扱うのは大変
このように、
TKCと弥生会計とでは、
仕訳データの構造が大きく違います。
そして、
(私が慣れていないせいもあるかもしれませんが)
TKCの仕訳データは、エクセルではとても扱いずらいです。
ですので、
もし、
エクセルで、仕訳データを加工したり、
インポート・エクスポートを駆使して仕訳データを処理したい、
というのであれば、
個人的には、TKCのソフトは、止めたほうがいいと思います。
なお、
これは、
会計ソフトとしての評価ではなく、
あくまで「エクセルで扱いやすいかどうか」
という観点からの評価である、という点に、
ご注意ください。