書籍「最高効率を実現する 経理のExcel」を出版しました
私が書いた本が2025/3/18に発売されました。
この本は、以前出版した「会計ソフトのすき間を埋める経理のExcel仕事術」の実質的な改訂版で、最近のExcelで導入されたスピル関連の機能について加筆修正したものになります。
この記事の目次
この本のテーマ
この本のメインテーマは、旧版の書名にもなっていた「会計ソフトの隙間を埋める」エクセルの使い方の解説です。
会計ソフトへの入力や、会計ソフトからは出力できない帳票を作成するなど、会計ソフトの周辺業務でエクセルを使う方法を紹介しています。
詳細は、書籍「会計ソフトのすき間を埋める経理のExcel仕事術」を出版しますのページをご覧ください。
また、本書では、旧版と変わらず弥生会計を使うことを前提に解説をしています。ただ、他の会計ソフトを使う場合でも、考え方自体は応用できるのではないかと思いますが、本書の内容は、そのままでは使えないことにご注意ください。
旧版から加筆修正した主な内容
本書では、基本的には、スピル関連の機能について解説をしています。
スピルや新しい関数の解説
主に第3章のExcelの基本機能を解説する箇所を中心に、スピルを使った配列計算の基本を解説しています。また、UNIQUE、SORTBY、FILTER、XLOOKUP、GROUPBY、PIVOTBYなど、最近使えるようになった新しい関数についても説明を追加しています。
実は、当初原稿を出版社に送付した段階では、GROUPBY、PIVOTBY関数は使えない状態でした。その後、差し替えができるギリギリのタイミングで使えるようになったので、急遽、原稿を差し替えさせてもらいました。
なお、本書ではLAMBDA関数については解説をしておらず、MAP、REDUCE、SCAN関数などの関数群についても解説はしていませんので、ご注意ください。
スピルの機能を使って仕訳入力用フォーマットを作る
第4章の仕訳入力用フォーマットを作成する章で、スピルの機能を使って、入力したデータから、CSV出力用シートに転記をする方法の解説を追加しています。
今回紹介する方法を使うと、入力する行で、行の挿入・削除をしても、数式が壊れなくなります。
従来の数式による転記の弱点の1つが解消できるので、ぜひ、試してみてください。
スピルの機能を使って仕訳データからの分析資料作成
第6章では、会計ソフトから出力した仕訳データ(総勘定元帳データ)を使って分析資料を作る方法を紹介しているのですが、そこでスピルの機能を使っています。
従来は、元データの件数が増えすぎると、数式を修正する必要がありましたが、スピルの機能を使うと、元データの件数が増えても、数式を修正せずに集計ができるようになります。
また、Microsoft365を使っている場合には、GROUPBY関数、PIVOTBY関数を使うと、(見出し部分も含む)集計表全体を、数式だけで簡単に作れるようになります。
タイミング的に、書籍で、この辺の関数についての話を書いているものは、ほとんどないのではないかと思いますので、ぜひ見てみてください。
旧版から削った内容
旧版で載せていた「給与明細から仕訳データを起票する」事例は、今回の書籍では削除しています。
旧版で紹介している集計方法は結構手間がかかる方法だったので、当初は、今回の本で配列数式を使って一気に計算する方法を紹介しようと思い、原稿を準備して出版社のほうに送付までしていました。ところが、土壇場でGROUPBY関数、PIVOTBY関数が使えるようになったことに伴い、そちらの解説を優先することにしました。
その場合、ページ数捻出のためどこかを削らないといけなくなり、この部分を削除することにしました。もともと、旧版の段階で手間が大幅に減るわけでもない微妙な方法しか紹介できていなかった(簡単な数式で組む前提で、手間を大幅に減らす数式が作れなかった)という思いもあったので、紹介する優先順位は低いと判断した結果です。
万一、期待されていた方がいらしたら、申し訳ありません。
まとめ
本書は、経理業務に携わる方の中でも、特に、会計ソフトとへのデータ入力・会計ソフトからのデータの活用を手間なく行いたいという人には、とても役に立つのではないかと思います。
また、エクセルの最新の機能を知りたい場合にも、役に立つと思います。
興味があれば、ぜひ、読んでみてください。