【初心者向け】エクセルを使いこなすための2つの学習法
エクセル初心者が、エクセルを使いこなせるようになるためには、大きく分けて2つの勉強方法があります。
- 多くの関数を覚えて、できることを増やす
- 少数の広範囲に使える関数を覚えて、できることを増やす
この2つは、どちらが良い悪いということではありません。
どちらの方法にも、長所・短所がありますので、両方バランスよく勉強することが大切です。
この記事の目次
エクセルを使いこなすための2つの勉強法とは?
エクセルで使う関数の中には、さまざまな場面で使えるものと、特定の場面でしか使えないものがあります。
図の左側がさまざまな場面で使える関数のイメージです。1つの関数を様々な場面に使いまわすことができるため、縦方向が長く表現されています。
一方で、図の右側は、特定の場面でしか使えない関数のイメージです。使える場面がごく限られているため、縦方向が短く表現されています。
それを図解すると、上図のような、いわゆる「ロングテール」の図になります。
では、エクセルを使いこなすには、どういう勉強をすべきでしょうか?
考え方は大きく2つに分かれます。
多くの関数(機能)を覚えて、できることを増やす
次の図のように「横方向」に学習していくイメージです。
使える関数の数を増やせば増やすほど、できることは増えていきます。
イメージ的には「主力商品」はそこそこにして「ロングテール」に力を入れている状況です。
少数の広範囲に使える関数を覚えて、できることを増やす
次の図のように「縦方向」に学習をしていくイメージです。
関数の数を絞り込む代わりに、1つ1つの関数を深堀りして、様々な場面で使いまわせるようにすることで、できることが増えていきます。
イメージ的には「ロングテール」よりも「主力商品」に力を入れている状況ということです。
どちらの勉強法がいいのか?
この2つの勉強法は、それぞれメリット・デメリットがあり、単純に優劣はつけられません。
- 横方向の学習法(関数を多く覚える学習法)
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- 数式が簡単
- 特定の状況に当てはまらないと使いにくい
- 縦方向の学習法(広範囲に使える関数だけに数を絞る学習法)
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- 状況により数式がやや複雑になる場合もある
- 様々な場面で使える
特定の場面に特化した関数 vs 様々な場面で使える関数
具体的な例として、日付の計算を例に考えて見ます。
- 横方向に学習した場合(関数を多く覚える学習法)
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たとえば、eomonth関数を知っていれば、A1セルの日付に対応する「翌月末の日付」を計算するのは簡単です。
翌月末: =eomonth(A1,1) 翌月初: × 翌月15日: × ただし、この関数を知っているだけでは「翌月初」「翌月15日」の日付は計算できません。
月末日付の計算に特化した関数であるため、それ以外の用途には使えないのです。
また、その他の関数でも「翌月初」「翌月15日」の日付を直接計算できる関数はありません。
ですから、「知っている関数をあてはめる」というやり方では、「翌月初」「翌月15日」の日付は計算できません。
- 縦方向に学習した場合(広範囲に使える関数だけに数を絞る学習法)
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一方で、「日付の計算で広範囲に使える」4つの関数(date関数、year関数、month関数、day関数)を組み合わせると、次のように「翌月末」「翌月初」「翌月15日」は、ほとんど同じ数式で計算できます。
翌月末: =date( year(A1), month(A1)+2, 0 ) 翌月初: =date( year(A1), month(A1)+1, 1 ) 翌月15日: =date( year(A1), month(A1)+1, 15) ※なぜ、一番上の数式で月末日付を計算できるのかは、エクセルで月末の日付を計算するをご覧ください。
数式は若干複雑ですが、同じような数式を様々な場面に使いまわせるのは便利です。
このように、それぞれの学習法は補い合う面があるので、両方の学習法を、バランスよく学ぶのが大切です。
学習法に合わせた本の選び方
冒頭でも書きましたが、エクセルの勉強法には、大きく分けると次の2つの方法があります。
- 多くの関数を覚える
- 少数の広範囲に使える関数を覚える
そして、この2つの勉強法を両方併用することで、エクセルの力が伸びます。
本を読んでエクセルを勉強する場合にも、このことを意識して、それぞれの勉強法を解説している本を最低1冊ずつ選択できれば理想的です。
ところが、ほとんどの本は「1.多くの関数を覚えて、できることを増やす考え方」で解説をしています。
現状では、後者の「2.少数の広範囲に使える関数を覚えて、できることを増やす」考え方でエクセルを学んでみたい場合には、《関数は「使える順」に極めよう! Excel 最高の学び方》が、ほとんど唯一の解説書となります。
すでに、他のエクセル本を持っているという場合でも、学習の「方向性」が違うので、併用すれば、さらに効果が高まると思います。
エクセルを使いこなすために、ぜひ、読んでみてください。