【複合参照が苦手な人向け】エクセルのimplicit intersectionを複合参照の代わりに使う

エクセルには「implicit intersection」と呼ばれる機能があります。

「implicit intersection」というのは、

  • 数式で
  • 本来は「単一の値・セル」を入れるべき場所に
  • 「セル範囲」を入れた場合
  • その「セル範囲」の中の「同じ行」または「同じ列」の値を自動的にあてはめて計算する

機能です。

日本語に、むりやり訳すと「交点自動参照」という感じでしょうか?

この機能は、かなり前から実装されているので、ほとんどの方は使うことができるはずです。
(私の手元で試すと、少なくともExcel2002では使うことができます。)

implicit intersectionとは?

たとえば、次の例を見てください。

B2セルの数式の解説

B2セルにROUND関数が入っています。

本来、ROUND関数の1つ目の引数には、次のように「単一のセル」を入れます。

=ROUND(A2, 0)

今の例では、その部分に「セル範囲」が入っています。

=ROUND($A$2:$A$9, 0)

この数式をB2セルに入力すると、implicit intersectionの機能が働いて、
「A2~A9セル」のうち、(数式を入力したB2セルと)同じ行のA2セルの値をあてはめて計算をしてくれます。

要は、セル範囲として「縦n行×横1列」を指定すると、implicit intersectionの機能で「同じ行」の値をあてはめてくれるのです。

B9セルの数式の解説

B9セルには、B2セルとまったく同じ数式が入っているのですが、計算結果は違うものになります。

なぜなら、B9セルの計算時にもimplicit intersectionの機能が働くので、
「A2~A9セル」のうち、(数式を入力したB9セルと)同じ行のA9セルの値をあてはめて計算するからです。

その結果、B9セルには、A9セルの数値を端数処理した「6」が表示されます。

縦長の範囲なら同じ行、横長の範囲なら同じ列を抽出する

先ほどの例のように、implicit intersectionを使うと、
セル範囲として「縦n行×横1列」を指定すると「同じ行」の値をあてはめることができます。

それとは逆に、
セル範囲として「縦1行×横n列」を指定すると「同じ」の値をあてはめてくれます。

このように、implicit intersectionを使うと、

  • 縦長の範囲を指定した場合には同じ
  • 横長の範囲を指定した場合には同じ

の値を抽出することができます。

マトリックス表を作るときに複合参照の代わりに使う

マトリックス表を作るときに「複合参照」を意識しないで済む、というのが一番大きなメリットです。

複合参照を使う方法
implicit intersectionを使う方法

このようにimplicit intersectionを使うことで、複合参照を使わないでも済むようになりました。

まとめ

implicit intersectionをうまく使うと複合参照を使わないで済む場面も出てきます。

どうしても複合参照に苦手意識があるときには、ぜひ、試してみてください。

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