会計事務所・税理士がエクセルを使うメリット
税理士さんによっては、
「会計ソフトさえあれば、エクセルなんてほとんど使わない」
と言っている人も多いです。
会計事務所・税理士がエクセルを使うメリット
そこで、そんな税理士さんのために、
今回は、
私の事務所で、
エクセルをどう使っているかを紹介してみようと思います。
1.各種資料・データの突合
お客さんから、
決算作業のために資料をもらうわけですが、
100%その資料が信頼に足るわけではありません。
ですから、
まっさきに、
その資料が「正確かどうか」の検証をしています。
よくあるパターンとして、次のようなものがあります。
- 実際の売上と、売上高管理表の売上高が、ずれている
- 売掛金管理表の入金欄と、実際の入金額が、ずれている
- 買掛金管理表の仕入高と、実際の仕入額が、ずれている
- 期首在庫+仕入数量-売上数量が、(棚卸減耗を考慮しても)期末在庫とずれている
- 給与明細の差引支給額と実際の給料支払額が、ずれている
こういった突合、分析にエクセルを使っています。
手作業で突会、分析だと時間がかかりますし、
担当者以外、何をチェックしたのかわからなくなりがちです。
でも、エクセルを使うことで、
チェックの履歴が残るので、後で検証がしやすくなります。
2.仕訳の元データを作成する
例えば、
私の場合だと、
- 預金出納帳・現金出納帳から仕訳データを作成
- 経費明細から仕訳データを作成
- 給与明細から仕訳データを作成
- 個別の売上明細から、売掛金を集計
といった用途に使用しています。
最近、特にてこずったのが、
Amazonの売上明細からの「売掛金」集計です。
Amazonの生データをもらって、
売掛金の金額集計をしたのですが、
Amazonの場合、
多くの場合、締めは2週間に1回行われます。
さらに、
アカウントや売上金額によっては締めのタイミングが変わり、
4週間に1回締め、とか、
極端な場合、半年間に1回締めとかにもなったりします。
そもそも、
データを見ているだけでは、
厳密な締め日がいつなのかさえも、よくわからなかったので、
試行錯誤の末、金額集計をしました。
ただ、
データ量が膨大になると、
エクセルデータをさばく能力がないと、
「試行錯誤」さえもできず、手も足もでない状況になりがちです。
3.定型フォーマットの作成
担当者ごとの能力のバラつきを防ぐために、
一定の業務については、
あらかじめ、
定型のエクセルフォーマットを作成して、
全員が、そのシートを使って作業をするように、
という指示を出しています。
例えば、
私の事務所だと、
- 消費税納税義務の判定シート
- 労働保険料の仕訳作成シート
- 別表4の法人税関連加算・減算の整合性チェック用シート
- 役員貸付金の認定利息計算シート
- 受取利息の源泉税計算シート
といったものを作っています。
こういうシートを作っておくことで、
所長の想像通りの仕事をしてくれますので、
組織として、従業員の管理が非常に楽になります。
会計ソフトと違って、
「あらかじめ、作り込んでおける」
というのは、
エクセルを使う大きなメリットだと感じています。