外注先に報酬を手取り支払する時の源泉所得税の逆算方法
講師・ミュージシャン・役者や、音響・舞台監督等に、
報酬を支払う際には、
多くの場合、源泉徴収が必要となります。
手取支払時の元金額の逆算
源泉徴収は、
その場で現金で支払う場合(俗に言う、とっぱらい)でも、
免れられません。
例えば、
講師の人に10,000円払った、という場合には、
- 本来は11,137円を支払うべきところ
- 1,137円(=11,137円×10.21%)の源泉徴収をして
- 10,000円(=11,137円-1,137円)を支払った
と考えて、
源泉所得税の納付や、支払調書を作成することになります。
源泉徴収税率が2段階になるときの計算方法
逆算をするときの計算式は、
手取額 | 計算式 |
---|---|
897,900円以下 | 手取額÷0.8979 |
897,900円超 | (手取額-102,100)÷0.7958 |
で計算できます。
※手取契約の場合の源泉徴収税額の計算方法より
これを計算する計算式をエクセルで作ってみます。
if関数で書いてみる方法
今回は、
2つの場合に分けて計算すればいいだけなので、
上の表の内容を、
そのままif関数で書いても、面倒なことにはなりません。
vlookup関数(近似値検索)を使う方法
金額によって計算方法が変わる、という場合、
vlookup関数を使うとうまくいくケースが多いです。
例えば、次のような感じです。
次のように、計算式の形を少し変えてみると、
手取額 | 計算式 | |
---|---|---|
897,900円以下 | (手取額-0) | ÷0.8979 |
897,900円超 | (手取額-102,100) | ÷0.7958 |
金額によって、
- 引き算の部分が「0」か「102,100」か
- 割り算の部分が「0.8979」か「0.7958」か
を切り替えられればいい、ということがわかります。
そこで、
この部分をvlookup関数を使って、
導き出す形にしたのが、さきほどの関数の形です。
vlookup関数で4つ目の引数を「true」にしておくと、
元々の金額が、
- 0円から897,900円のときは「上の段」
=手取額(下限)が0円の行 - 897,001円以上のときは「下の段」
=手取額(下限)が897,901円の行
の数字を拾えるので、
先ほどの表の計算ができるわけです。
計算が複雑になればなるほどvlookup関数が便利
今回は、2段階だけなので、
vlookup関数を使うメリットが感じられないと思いますが、
多段階で計算式が変わるような場合には、
if関数よりも、式が単純になるので、非常に便利です。