個別案件の粗利が本当に正しいかをチェックする方法
建設業や、宝飾品販売、中古車・新車販売業など、
1件(1個)あたりの単価が高い業種の場合。
真面目な社長さんであれば、
帳簿とは別に、
個別の案件(商品)別に、粗利を管理していると思います。
個別の粗利と帳簿上の粗利が合わない!
ところが、
実際に、帳簿を付けてみると、
個別案件の粗利合計と、
帳簿上の粗利合計が一致しないケースがとても多いのです。
しかも、
その差額の原因もわからない、という場合がほとんどです。
このような状況だと、
せっかく個別の粗利管理をしているのに、
業績判断の役にも立ちません。
それに、そもそもの話として、
その個別の粗利が合っているのかどうか自体も、
怪しくなってきます。
入出金をエクセルベースで管理して、案件番号を入れよう
そういう場合におすすめなのが、
入出金をエクセルベースで管理するとともに、
その入出金に対応する「案件番号」を横に付記していく、
という方法です。
ここでのポイントは、
入金と出金の差額である、
「差引入出金額」の欄をつくっておくことです。
こうやっておくと、
オートフィルタを使えば、
その案件に関連する入出金が全て出てきます。
あるいは、
ピボットテーブルを使えば、
案件別の粗利が一覧できます。
入出金ベースで粗利を管理する欠点と対策
ただし、
入出金ベースで粗利を管理する方法には、欠点があります。
それは、粗利を把握するのに「時間がかかる」ということです。
多くの場合、
入出金のタイミングは、
取引時点よりも遅くなるはずです。
仮に、
月末締翌月末入金(支払い)だとすると、
平均で、約0.5ヶ月遅れとなります。
もっと入出金タイミングが遅くなれば、
さらに、粗利の把握タイミングは遅くなります。
ですから、
使い方としては、
とりあえず、従来の粗利管理表で管理をしつつ、
それが正しいのか検証をするために、
入出金ベースでも粗利を管理するための情報を把握し、
両者を突合する、という運用になるのではないかと思います。