給与計算エクセルシート。社会保険料・源泉所得税額も自動計算で簡単

給与計算を本気でするのであれば、間違いなく給与計算ソフトは便利です。

ただ、ちょっとした検証がしたいだけの場合でも、膨大な入力項目が必要で、小回りはききません。

そこで、私の事務所では、昔から給与計算用のエクセルシートを作り込んで使っています。
自社の計算はもちろんなのですが、手軽にデータを入れられるので、お客さんが作ってきた給与データが本当に正しいのか検証するのに非常に便利です。

この給与計算シートで何ができるのか?

  • 給与の支給金額から、社会保険料・源泉所得税の控除額を自動計算
  • 随時改訂が必要かどうかの判断

をする機能を持っています。

随時改訂については、2016年4月の標準報酬月額の上限アップによる随時改定には対応できていませんが、通常の2等級変化した場合のパターンは判断できます。

1枚のシートに全員分・全期間分の給与を一覧形式で入力しているようになっています。
そのため、給与データを使って、後工程の処理(仕訳に直す)をする場合、データの抽出が簡単です。

当然、1枚のシートに入力されている給与で、適用すべき社会保険料率や源泉徴収税額表が違うものが混在します。
そこで、このエクセルシートでは、支給月や勤務月に応じて、社会保険料率、源泉徴収税額を自動判定するようにしています。

たとえば、平成28年3月支給分と平成28年4月支給分では、適用される健康保険料率が自動で変わるようになっています。

会社情報・従業員情報の入力

まず、最初に、会社の情報と従業員の情報を入力します。

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健康保険・雇用保険については、加入している場合のみ日付を入力します。

給与データの入力

次に、毎月の給与データを入力していきます。
入力する項目は、従業員番号、処理年月、給与の内訳、標準報酬月額(社会保険加入時のみ)です。

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これらを入力すると、自動で控除項目が計算されます。

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このシートは、次のような点にこだわってつくっています。

料率の自動判定

健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、源泉所得税額の全てを支払月ベースで料率を自動判定しています。

料率テーブルは自力で変更できます
いつの月から適用するかも指定しておくことで、事前に変更しておくこともできるので、非常に楽です。

厚生年金保険料率の自動判定

例えば、厚生年金保険料のテーブルは次のような感じで、「支払月」ベースで登録してあります。

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健康保険料率・介護保険料率の自動判定

健康保険は、次のような感じの表で料率を算定しています。

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次のような都道府県別の料率シートが別のシートで準備してあり、そこからデータをひっぱってきています。

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新たな料率が発表された場合には、薄緑色部の「9999/12/31」のうち、一番上の行を変更してください。

例えば、(支払日ベースで)2017/4から、料率が変更される場合には、
薄緑の一番上の行の日付を「2017/4/1」と打ち替えて、料率を入れてもらえばOKです。

このエクセルシートを使う、細かいメリットとして、事前に料率テーブルを設定しておける点があります。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、弥生給与を使っていると、料率を変更したい月の処理時に変更しないとダメなんですよね(他の給与計算ソフトも同じでしょうか?)。

このエクセルシートを使うと、いつから料率を変更するかの指定ができるので、事前に料率変更の設定をしておくことができます。

源泉所得税額計算ロジックの自動判定

源泉所得税も、年により使うテーブルを変えています。
現時点では2016年1月以降の源泉徴収税額テーブルに対応させています。

なお、源泉所得税だけは(ロジックがかなりややこしいため)設定変更を自力で行えないようにしています。
源泉所得税のテーブルが変わった場合には、このシートは使えなくなりますので、ご注意ください。

各支給・控除項目を所得税・社会保険料の計算に加味するかどうかの設定

画面イメージでは非表示にしていますが、固定残業代や、通常の残業代、その他諸手当、社宅控除などを入力する欄も作ってあります。

用途を決めていない列も準備しており、税金・社会保険のどちらに影響させるかを選べるようになっていますので、ほぼどんな支給形態にも対応できると思います。

例えば、自社商品を従業員に低額で販売した場合の源泉源泉税加算なども対応できます。

随時改定が必要かどうかの判定

固定給に変動があり、支給額が2等級以上変化しそうかどうかの判定ロジックを入れています。

随時改定が必要な場合には、次のような感じで表示されます。

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エクセルシートのダウンロード

下記リンクよりダウンロードをお願いいたします。
給与計算エクセルシートのダウンロードはこちら

なお、この給与計算シートは、マクロを使っていませんので、マクロを使えない設定でも動作します。安心してお使いください。

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