誰でも簡単!労働保険の申告・天引時の仕訳とエクセル計算

毎年7月は労働保険(雇用保険・労災保険)申告の季節です。
ただ、労働保険申告は年に1回の業務なので、労働保険の経理処理をどうすればいいか忘れてしまう人も多いと思います。

そこで、今回は、労働保険関連の仕訳の起票の仕方をまとめておきます。

労働保険申告の経理処理だけを考えたらダメ

労働保険申告の経理処理の仕方は、次の仕訳と連動して変わってきます。

  • 1年前の労働保険申告時の経理処理
  • 毎月の給料からの雇用保険天引き時の経理処理

労働保険申告時の経理処理を考えるときは、今までに起票してきた仕訳も合わせて考えないと、間違えてしまいますので注意してください。

労働保険の一番簡単な経理処理

さて、労働保険の一番簡単な経理処理の方法は、次の処理です。

  • 払ったとき:法定福利費
  • 受け取ったとき:法定福利費のマイナス処理

資産・負債勘定は一切使わず、
労働保険料の申告をして支払ったときに全額経費処理します。
一方で、従業員から天引きをしたときには、経費のマイナスで処理します。

実務的にも、この方法で処理している会社は多いと思います(会計事務所でもこの処理をしているところは多いのではないでしょうか?)。

この方法は、一番簡単で悩む必要はありませんが、欠点が一つあります。
税務的には、認められていない処理だということです。

税務署に指摘をされたら、修正申告は覚悟しないといけません。
ただ、小規模な会社であれば、正しく処理する場合と比べても、利益への影響はほとんどありません。

ですから、税務調査時に指摘されることもほとんどないでしょうし、万一税務調査時に指摘されたら、そのとき税金を追加で払えばいいという前提であれば、この処理をするのも悪くはないと思います。

税務上、一番経費計上額(損金計上額)が大きくなる処理

税務的に許される範囲で一番経費計上額が大きくなる処理は、次のものです。

  • 労働保険料申告時:従業員負担分は立替金経理、会社負担分は法定福利費処理(※貸方は未払金処理)
  • 支払時:未払金のマイナス処理
  • 天引き時:立替金のマイナス処理

労働保険料申告時の処理

例えば、労働保険料申告時の納付額が次のような内訳の場合を考えてみます。

区分 労災保険料 雇用保険料
(上段:会社負担、下段:従業員負担
一般拠出金
確定納付額 3,000 8,500
5,000
2,200
概算納付額 33,000 93,500
55,000

この場合、会社負担分合計140,200円(黒い字の金額合計)、従業員負担分合計60,000円(赤い字の金額合計)ですので、
経理処理としては、次のようになります。

法定福利費 140,200円 /未払金 140,200円
立替金 60,000円 /未払金 60,000円

会社負担分と従業員負担分を分けるためには、例えば、次のようなエクセルシートを作ってみましょう。

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申告書記載の金額をエクセルシートに転記します。
また、申告書計算時に使った会社負担分・従業員負担分の料率も転記します。

あとは、会社負担分と従業員負担分が自動で計算できます。

なお、I5セルに入力した計算式で、絶対参照を正しく付けているので、I5セル~J11セルまで、そのままコピーできます。

労働保険料支払時の処理

労働保険料支払時には、先ほど計上した未払金を取り崩します。

労働保険料を従業員から天引きした時の処理

労働保険料天引き時には、立替金を取り崩します。

まとめ

労働保険料の金額が大きくなくて無視できるようであれば、簡便な処理が楽でいいかもしれません。
正しく処理したい場合には、会社負担分と従業員負担分を区分して別処理をしてください。

     

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