【会計士向け】大手監査法人で必要なエクセルスキル

公認会計士試験合格後、監査法人で仕事をしていく上では、エクセルスキルはとても大事です。

なぜかというと、監査法人は、

  • データ量が多い
  • クライアントごとにデータのフォーマットが違う
  • クライアントのシステムが古く、使いにくいフォーマットのデータしかもらえない場合がある

といった特徴があるため、普通の会社以上に、エクセルテクニックが作業効率に大きな影響を与えることになるのです。

そこで、このページでは、大手監査法人で仕事をするにあたって必要となるエクセルスキルを簡単に解説していこうと思います。

エクセルのスキルを身に付ける前に

タッチタイピングは、ほぼ必須

パソコンで仕事をする以上は「文字を入力するスピード」がある程度ないと話になりません

ですから、まずは、タッチタイピングを身に付けましょう。

速度の目安としてはe-typingというサイトで、200点ちょっとが目安でしょうか。

 

キー入力の速度は、「単に文字入力が速くなる」だけでなく、さまざまなところに影響が出ます。

文字を打ちながら「別のことを考えられる」

タッチタイピングを覚えると、無意識に文字が打てるようになります。

すると、文字を打ちながら、別のことを考えられるようになります。

 

文字を打っていても「思考が中断されない」というのは、非常に大きいです。

スキルの伸びが速くなる

エクセルの「新しい関数」や「マクロ」など、新しい機能を身に付けようとする場合、どうしても試行錯誤をする必要が出てきます。

そのとき、入力スピードが速いと、一定時間での「試行錯誤をする回数」を増やすことができます。

結果、スキルの伸びが速くなります

議事録を打ち直す手間がかからない

監査では、クライアントの担当者へのインタビューを頻繁に行います。
その聴取結果(議事録)は、当然調書にまとめることになります。

このとき、議事録を紙で書いていると、後でPCに打ち直す手間がかかり、非常に手間がかかります。

ところが、インタビュー時に、内容を直接PC入力できれば、打ち直す手間が大きく減ります。

体感で、作業時間が半分くらいになるのではないかと思います。

タッチタイピングを覚えるコツ

タッチタイピングを覚えるコツは「少ないパターンを確実に身に付ける」ことです。

  • まずは「ア行」(=「a」「i」「u」「e」「o」)を体に叩き込む
  • 次に「カ行」(=「ka」「ki」「ku」「ke」「ko」)を体に叩き込む
    ※「k」「a」の2つのキーをほぼ同時に打てるようになるのが目標
  • ・・・

というように、一度に練習するパターン数を「絞って」、無意識に打てるようになるまで反復練習してください。

一般的なエクセルテクニック

社会人として一般的に「身に付けたほうがいい」と言われているエクセルテクニックは、当然監査法人でも活かせます。

ショートカットキーなどのキー操作

ショートカットキーは、知っていれば操作速度が速くなるケースは多いです。

また、ショートカットキーに含まれるかどうかは微妙ですが、

  • Enter
  • Tab
  • Esc

などのキーが無意識に使えるようになるだけでも、操作スピードは上がります。

 

エクセルの全操作をキーボードで操作する必要まではないと思いますが、適度に身に付けていきましょう。

 

注意点としては、

1つずつ覚える

タッチタイピングと同じく、「1つずつ」体にたたき込んでいきましょう。

一気に、いろいろなショートカットを覚えようとすると、結局、どれも身につかずに終わってしまいがちです。

指使いに気をつける

ショートカットキーを使うときには「指使い」にも気をつけましょう。

たとえば、Ctrl+Cであれば、

  • 左手小指でCtrl
  • 左手人差し指でC

を押せるように練習しましょう。

ここで、両手を使ってCtrl+Cを押してしまうと、ショートカットキーの効果が半減しますので注意が必要です。
 

参考↓

一般的なエクセルの関数や機能

監査法人では、大量のデータを扱うため、エクセルの関数や機能を適切に使えないと、作業時間が膨大にかかってしまいます。

たとえば、以下のような作業で、大きな差が付きます。

  • 確認状のロールフォワード手続き用調書の作成
  • 調書で必要となる各種金額の集計
  • サンプリングの元データ作成

そこで、データの自動処理、転記、集計に必要な関数・機能を重点的に覚えましょう。

 

下記ページの内容は、監査法人でもそのまま使えます。

特に、次の関数・機能は、データ処理の「基本」となる関数ですので、完璧に身に付けましょう。

  • SUMIFS関数
  • COUNTIFS関数
  • VLOOKUP関数
  • IF関数
  • SUM関数
  • 絶対参照・相対参照
  • ピボットテーブル
  • オートフィルタ

監査法人特有(?)のエクセルスキル

監査法人では、特に作業効率に影響を与えると思う「特有」のスキルがあります。

使いにくいデータを整形するテクニック

監査法人で、特に重要なエクセルスキルに使いにくいデータを整形するテクニックがあります。

典型的な例としては、次のようなものがあります。

例1:同じ値を何回も入れると見にくいので、入力を省略している
kuuran_1_1

このように、入力すべき欄(日付)の入力が省略されていると、データとして使えません。

そこで、実際にデータとして使うためには「空欄を埋める」必要があります。

詳細は、次のページをご覧ください。

 

他にも、監査でクライアントから入手する資料には、「使いにくい」ものがかなりあります。

たとえば、次のようなデータはどうでしょうか?

例2:紙出力帳票をそのままテキストデータ化したデータ
トリヒキサキNo   トリヒキサキメイ           ウリアゲビ             ニュウキンヨテイビ
ウリアゲビ   ショウヒンNo   ショウヒンメイ                    タンカ     スウリョウ         キンガク

1234567890 キタムラショウジ          18/09/01-09/30      18/10/31
09/01     00158394  3.5mmプラグ                 100     1,000     1,000,000
09/02     00148386  6mmプラグ クロ                 90     2,000     1,800,000
09/14     00148386  6mmプラグ クロ                 85     2,000     1,700,000
09/05     00158394  3.5mmプラグ                 120     1,000     1,200,000
09/28     00148386  6mmプラグ クロ                 58     2,000     1,160,000

1234567891 ヒムロデンキ            18/08/26-09/25      18/10/31
08/29     01946742  ヘッドホン DAC-2B              100     2,700     2,700,000
09/08     01946742  ヘッドホン DAC-2H               90     2,700     2,430,000
09/24     00158394  3.5mmプラグ                  20     1,000        20,000

1234567894 ミツバデンキ           18/09/01-09/30      18/11/30
09/14     00148387  6mmプラグ シロ                 40     2,100        84,000

監査法人のクライアントには、歴史の長い大企業が多くあります。

そして、歴史が長い分、使っている業務システムの作りが古く、上記のような扱いにくいデータしか出力できないというケースが多々あるのです。

 

残念ながら、先ほど書いた覚えるべき関数・機能は、「綺麗なデータ」があれば非常に高い効果が得られるのですが、このような「扱いにくいデータ」が相手だと、一手間加えないと効果が発揮できません。

結局、作業効率が上がるかどうかは「扱いにくいデータ」を短時間で「綺麗なデータ」に加工できるかにかかっているのです。

もし、「あなた」ならどう処理するか、考えてみてください。

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